釜ヶ崎講座ニュース44-14・7・4発行しました

 釜ヶ崎講座ニュース   No.44
                     2014年7月4日
     
釜ヶ崎講座
大阪港郵便局私書箱40号
大阪市西成区萩之茶屋1-9-7
事務局 090-2063-7704
        郵便振替00940-1-132778釜ヶ崎講座」
 
 
 会員、読者のみなさん 釜ヶ崎講座への日頃からの御賛同、ご協力へ厚く感謝申しあげます。 また、年会費・カンパへの寄金にも紙面をお借りして感謝申しあげます。 ありがとうございました。
   釜ヶ崎講座講座ニュースNo44をお届けします。
 
1 「第21回釜ヶ崎講座講演のつどい」が
    2014年7月26日(土)開催されます
               会場はエル・おおさか 701号です。
 今回は大阪市立大学院教授の福原宏幸先生にお願いしてご快諾を頂き、「フランスの社会的包摂政策―生活困窮者支援と社会連帯経済―」の演題でとり行います。いつもどうり開場18時、開演18時30分です。(資料代500円) 釜ヶ崎講座は2011年に大阪府立大の嵯峨先生の「ドイツを主とした欧米ホームレス支援の実状」、昨年11月、大阪市大の全先生による「韓国ホームレス福祉法制定と支援」と これまで2回、学習会、つどいのかたちで諸外国のホームレス支援の問題を扱いました。今回、上記の内容にてフランスを主とした取り組みを学習することで日本でのホームレス・生活困窮者支援と結び付けて考えていければとの発想で企画いたしました。みなさまのご参加をお待ちしております。
 
  釜ヶ崎講座第21回講演のつどい」
  日時  2014年7月26日(土) 18時30分開演(18時開場)
  場所  エル おおさか 701号大阪市中央区北浜3-14
                         (06-6942-0001)
       京阪・地下鉄谷町線天満橋駅」より西へ300m、
地下鉄堺筋線「北浜駅」より東へ500m
講師  福原宏幸さん
      大阪市立大学大学院経済学研究科教授
資料代 500円
  
   以下、これよりは、昨年からの釜ヶ崎講座の取り組み紹介の記事です。
 
2 2013年11月30日、
    第20回講演のつどいが開かれる。
 昨年11月30日、エルおおさか701号にて「釜ヶ崎講座第20回講演のつどい」が20名の参加で開催されました。題目は「ホームレス自立支援法5年延長―私たちは何をすべきか! 韓国ホームレス福祉法制定と包括的支援システムの整備から学ぶ」でした。講師を引き受けてくださったのは大阪市立大学・都市研究プラザ准教授、全泓奎(ジョンホンギュ)さん。全さんは韓国ソウル市のご出身で、学生時代に都市部の貧困層の居住区取り壊しを目の当たりにするなどの体験の中から、貧困層の居住と生活の深刻さを痛感され、住居を柱とするトータルな支援活動に携わってきた経験を話され、参加者の認識を高めていきました。2011年に永久法として成立した「韓国ホームレス福祉法」は現地における様々な団体の取り組みの成果として生まれ、アジア諸国に好影響が波及していくことを願っていることが述べられました。当日ご参加のみなさん、御苦労さまでした。
 
3 第44回釜ヶ崎越冬闘争貫徹さる!
  「一人の餓死者・凍死者をだすな!
     今こそ、安心して暮らし働ける釜ヶ崎を」
のスローガンのもと 仲間の強固なる団結でたたかわれる。
  講座は新春恒例の「釜ヶ崎ツアー」を挙行。
 
 2013年12月28日~2014年1月7日まで第44回釜ヶ崎越冬闘争が越冬闘争実行委員会と支援の団体、個人によって成功裏に闘われました。越冬闘争は1970年から真冬の寒さのさなか、行政の窓口が閉ざされる越年期、失業ゆえに野宿をせざるをえない仲間たちの生命を守り抜くたたかいとして取り組まれてきました。近年、震災復興・東京オリンピック景気などと揶揄される中、それとは真反対の人材と資材の不足が追い打ちをかけて、失業の固定化がはじまっています。釜ヶ崎での野宿と炊き出しに依存する労働者の数が減っているわけではありません。こんにちも釜周辺を含めると500人と言われる人々が野宿を強いられている現状です。新年1月6日には、釜日労・反失連の仲間約70名で対大阪市大阪府への要望書を携えての「お礼参り」行動が果敢にとりくまれました。この行動では55歳以下の若年者の就労要求も強調されました。釜ヶ崎講座はこの行動にも参加するなど、越冬闘争期間中、諸行動にも参加、連帯のアッピール発言もさせてもらい、実行委の一端をにないました。
 また2014年1月3日午後1時より釜ヶ崎日雇労働組合事務所まえに参加者一同が定刻に集まるなか、水野阿修羅さんの案内で「2014新春釜ヶ崎ツアー」が27名の参加で挙行されました。今回も金沢をはじめ近畿周辺の遠隔のところより駆けつけていただき、みなさん大変御苦労さまでした。今回は釜ヶ崎の街の実相を「ごみ廃棄物の投棄」という問題を切り口としながら、釜ヶ崎めぐりをスタートしました。「ここに捨てたら大丈夫」という大阪周辺の住民が未明等の時間帯に持ち込む廃棄物・・・・その廃棄物を釜の労働者・住民がリサイクル再生品として蘇生させていると説明する案内人の水野阿修羅さん。街の一隅にはリサイクルした電気製品、工具等を廉価で売る店もあります。しかし、ごみ廃棄物を野積みにすることもできず、最近、公的使命で運営する会社が誕生、就労と結び付けたゴミ処分の動きができていると聞きます。この事象も2012年より立ち上がった「西成特区構想」事案の進捗をうけてのことです。そして今回のツアーの質疑の場で「西成特区構想」問題では建て替え工事の進まぬシェルターや社会医療センターはどうなるのかの質問もでましたが、やはりそれらの問題の根源は「ここで住み暮らす労働者・住民の街」はどうなるのか、生活基盤にかかわる質問が多かったと感じました。仕事・生活を長年、下支えしてきた寄せ場機能を損なわない「特区構想」の進展に期待したいものです。さて、これからも「釜ツアー」の企画をより魅力あるものにさすため、みなさんの要望にできるだけ応えられるために事務局一同努力いたします。当日のご参加、御苦労さまでした。
 
4 第7回「釜ヶ崎講座学習会」開催
  「改正」生活保護法と生活困窮者法の問題を
         稲葉 剛さんの解説で
 昨年12月、生活保護法改正法案、生活困窮者自立支援法案が国会にて可決、成立しました。特に生活困窮者自立支援法は生活保護の一歩手前のセーフティネットということで自立への貸付、家賃補助等の制度を具備したものとして注目されてきました。しかし、この日、講師をお願いした稲葉剛さんが理事長をされる自立生活サポートセンター・もやい
の組織はいちはやく、この2法に問題ありと声をあげ、反対の声明、関係機関への質疑・要望の行動をしました。改正生活保護法は本人申し出の意思表示をこれまで以上にしづらくしている点、生活困窮者法は金銭貸付等も限度があり、職と住居の提供のない日本では生活立て直しには限界あり、という基調の当日のお話でした。そしてなによりも、「生活保護バッシング」やら、役所の「保護」に結び付けたがらない「沖合作戦」のこの国の感覚・意識が大きな問題として解決を迫られていることが稲葉さんから指摘されました。比較的多くの相談窓口がある釜ヶ崎においても、本人のサポートにはきめ細かさが必要であり、就労保障と結び付く支援がないと孤独と隣り合わせの日常を打開しにくい主旨の意見もでました。なお学習会参加者は約50名でした。当日のご参加、そしてみなさまの多方面からのご協力に感謝いたします。
 
5 第45回釜ヶ崎メーデーたたかわれる!
 労働者ぬきの「特区構想」はごめんだ、センター機能の廃止
      を許すな!の声あげ、全世界・全国の労働者と連帯
 1970年代、既存の労働組合運動からも切り捨てられた釜ヶ崎労働者が俺たちも労働者だ!と声をあげ仲間を支えながら底辺からの労働の権利を勝ち取るため闘いつづけて、45回目の「釜ヶ崎メーデー」をむかえました。釜ヶ崎では「西成特区構想」が本年度27項目20事業が動き始めており、特に「寄せ場」の中心として存在する社会医療センター移転に対してセンター機能壊すな の労働者の声があがっています。又「社会的就労」拡大、雇用の拡大を訴え、釜日労・反失連が中心となり労働者・住民のための地域再生の運動が取り組まれています。釜講座も5月1日当日、7時センター下の集会に参加、釜ヶ崎労働者に連帯する発言をしました。釜の労働者は集会後、150名で地域内をデモし、大阪市・府に「要望書」提出行動を行いました。なお当日は300名の労働者が「特掃」で働き、約100名の仲間が「連合メーデー」の清掃の仕事に就きました。
 
6 第43回釜ヶ崎夏まつりへの参加呼びかけ
 みなさん、今年も熱い夏と共に第43回釜ヶ崎夏祭りが開催されます。実行委員会も動き始めています。労働者が家族や仲間を思い、故郷の感慨に浸り、そして明日の労働の力へと繋げる第43回釜ヶ崎夏祭りへ、みなさん是非ご参加ください。釜ヶ崎講座は以下の取り組みをいたします。                             
 
  「特掃(高齢者特別清掃事業)1日見学ツアー」
日時 8月14日朝 7時半 釜ヶ崎日雇労働組合事務所集合
 
  釜ヶ崎夏祭りツアー」
日時 8月15日午後1時  釜ヶ崎日雇労働組合事務所まえ集合  
  
     皆さんのご参加、お待ちしています。
 
  最後に事務局からのお知らせ
 いつも釜ヶ崎講座にたいしての御支援・ご協力に改めまして感謝もうしあげます。今年も夏祭りなどを、ひかえまして諸費がかさむことが予想されます。大変心苦しいお願いではございますが、振り込み用紙を同封しておりますので、年会費、カンパのお計らいをよろしくお願い申し上げます。
 
                      以上  釜ヶ崎講座