釜ヶ崎講座ニュースNO50 2017.5

      釜ヶ崎講座ニュース No.50
 
                                      2017年5月6日
 
                       釜ヶ崎講座
               大阪港郵便局私書箱40号
          〒557-0004 大阪市西成区萩の茶屋1-9-7
                      釜ヶ崎日雇労働組合気付
             事務局  090-2063-7704
               Mail  Kamakouza@cwo2.bai.ne.jp  
                 http://cwowb2.bai.ne.jp/kamakouza
                 http://blogs.yahoo.co.jp/kamagasakikouza
                       郵便振替 00940-1-132778
 
 
 会員、読者の皆さま、お元気でお過ごしの事と存じます。ご無沙汰しております。釜ヶ崎講座より約、半年ぶりの「釜ヶ崎講座ニュースNo.50」をお送りします。今回は釜ヶ崎をはじめ全国各地より運動の押し上げのなか、延長・成立の局面をみんとする「ホームレス自立支援法」の取り組みのご報告と釜講座主催による「第12回学習会」開催の予告を中心とした内容にて、いつも雑駁な文書で恐縮ですが、最後までお付き合いお願いいたします。
 
  1. 第12回釜講座学習会開催のお知らせ
     「日雇労働はどうなる?」のテーマで
    水野阿修羅さん、松繁逸夫さん他を話題提供者
     として「日雇労働」の現状・今後を考える
 
 会員・読者の皆さん、私共釜ヶ崎講座は昨年12月16日、西成市民館にて「ホームレス自立支援法延長問題」のテーマで第11回学習会をもちました。この4月5日に東京の参議院会館にてホームレス自立支援法の延長を求める院内集会が勝ち取られ、300名近い人々が集まり、現在全会一致による同法の10年間の延長にむけた取り組みが継続されています。是非ともこの法の延長を勝ち取っていきましょう。
 さて現在、日雇雇用保険で2カ月連続で18日以上あるいは6カ月間同一業者のみだと、一般雇用保険に切り替えるという杓子定規な運用がされることになりました。このことで雇用保険の無資格者が大量に発生することが予想されます。国が日雇労働者の縮小・雇用保険の廃止をもくろんでいくことと考えられ、建設労働者の雇用制度の改変では、業者間の労働者の貸し借りや日雇労働の廃止と外国人労働者の導入へとつなげられる方向へ動く可能性があります。日雇労働市場の現実の縮小の中、釜ヶ崎の基本である日雇労働の今後を話題提供を元に考えていきませんか?来場をお待ちしております。
 
 話題提供者  水野阿修羅さん・松繁逸夫さん 他
 開催日時 2017年6月3日()午後6時30分開演(6時開場)
 会場   西成市民館3階講堂西成区萩の茶屋2-9-1)
                   (06-633-7200
       JR新今宮駅、南西へ徒歩10分 南海電車萩の茶屋駅、東へ5分、地下鉄四つ橋線花園町駅、東へ10分(西成警察裏側,公園隣接、黄色の建屋)
 
 資料代 500円
 
2.釜ヶ崎講座、これまでの活動報告
 ① 第11回講座学習会開催される。
    「ホームレス自立支援法」延長とその意義について
    全国支援ネットの江田初穂さん、簡潔にそして熱く解説される。
 
 去る2016年12月16日、第47回越冬闘争の取り組みであわただしい中、西成市民館3階講堂にて「釜ヶ崎講座第11回学習会」がもたれ、皆さん忙しいさなか、35名参集しての学習でした。「なぜ、これからもホームレス自立支援法が必要か」と題してのこの学習会に北九州よりホームレス支援全国ネットワークの江田初穂(こうだ・はつほ)さんに来ていただいてわかりやすく、そして熱く語ってもらい意義ある時間となりました。江田さんは自らがホームレス支援運動に関わる結果となった野宿せざるを得ない人々の惨状と当時の無法下の行政当局の排除の施策への怒りが私の原点と語り、かつ支援法成立下での運動進展のありさまを北九州の実状にそくして説明されました。1.ホームレス法成立による人権擁護意識の浸透、行政責任の明確化による調査・施策の確立。2.可視化調査等による施策進行の検証と対策の確実な実行。3.運動の蓄積による当事者・行政・支援組織の協働連帯の定着。4.何よりも数字が表わす各地域のホームレスの数の減少等の成果、これら諸点を語られ、「困窮者法」のみでの対策の継続はきわめて困難、しかもホームレス者の高齢化と10年以上の定着を強いられる傾向の増大、ホームレス生活形態の多面化等は引き続き「ホームレス自立支援法」の8月以降の継続延長を必要としていることを訴えられ、参加者全体にも個人署名等、運動高揚への行動を要望されました。また学習会の終わりに当該運動を進める釜日労、山中委員長が支援法継続成立のためにも越冬闘争に参加し釜ヶ崎の実状に触れてほしいとの訴えがありました。第11回学習会参加のすべての皆さん、当日はご苦労様でした。有難うございました。
 
 
 ② 第47回越冬闘争うち抜かれる
  失業・野宿対策の解決をかかげ団結して闘われる。
 釜ヶ崎講座は連帯して、講座ツアーなど取り組みをやりぬく。
 去る2016年12月28日から新年1月4日の8日間の日程で第47回越冬闘争がすべての共感する団体、個人の協働・連帯・団結の力により闘われました。軍事大国の国造り優先の安倍政権は沖縄・辺野古新基地建設、高江オスプレイヘリパッド建設に巨額の税金をそそぎこみ、原発や関連建設現場、零細企業やコンビニなどで働く非正規・下請け労働者には長時間・低賃金の働き方を押し付け、被曝・過労死や精神的苦痛を日々、拡散しつづけています。1970年当初より、仲間の命を守り、俺たち労働者は物じゃあないと声と行動をおこしたのがこの越冬闘争の原点です。今回も釜ヶ崎の新シェルターを拠点とした仲間うちの団結で仲間を「野垂れ死に」から守る闘争が貫徹されました。12月28日には「突入集会」がもたれ、医療センター前には「集団野営」の闘争態勢が整えられました。連日の人民パトロール、医療パトロール、ハラがへっては戦にならぬのたとえどうり「炊き出し」の体制も整えられ、今年も「SINGO★西成」さんによって呼びかけられた「ライスカンパ」には多くの青年たちが米を持参していました。「地域内臨泊」も今年で3年目をむかえ、432名の労働者が利用しましたが、今越冬期間中もセンター周辺地域には連日70名~80名の野宿を強いられる仲間の現状もあり月13日以上の仕事があり安心して暮らせる釜ヶ崎の実現のため闘争参加者一同、決意もあらたにした今第47回の越冬闘争でした。釜講座は例年のスケジュールどうり12月30日「釜講座越冬連帯1日行動デー」、新年1月3日は「釜歩きツアー」を挙行、実行委員会による府・市お礼参り行動への参加もやり抜きました。30日、新年3日の両企画にはのべ30名の会員をはじめとした方々が参加していただきました。今回の「釜歩きツアー」は水野阿修羅さんが主として、映画・小説の舞台となった個所を選んで歩きました。小説家、高橋和己やフランキー堺の映画「極道ペテン師」の時代と下層民衆の生きざまを水野さんが生き生きと語りました。時代と歴史を超え「弱さ」を内包しながらも生活していく人々を包摂する街としての役割を今後も担う、このことを確認できた今度のツアーでした。いつも水野さん、有難うございます。ご参加の皆さん、ご苦労様でした。
 
③ 「4・5ホームレス法延長要請院内集会」開催される
    釜からも70名の労働者が「勝利号」で参加
 去る4月5日、東京の参議院会館にて「ホームレス自立支援法延長」を実現しようと290名の人々が集いました。各派議員のほか、垣田裕介、水内俊雄さんら、ホームレス支援全国ネット理事のあいさつ、取り組み報告を受けながら、後段、当該より釜ヶ崎のひとりの労働者のかたが、涙ながらに社会の不正と支援法延長の実現を訴えられ大きな拍手がわきおこりました。この日は新宿・寿の仲間もかけつけて労働者の数は120名あまりとなり支援法延長実現の強い決意を示しました。釜講座も2名参加し、帰りは釜の部隊とともに帰阪しました。(この項おわり)