第47回釜ヶ崎越冬闘争が始まります

       第47釜ヶ崎越冬闘争への協力要請
 
今年も越冬闘争の準備が始まりました。
この間、西成特区構想の中で進められてきたセンター建て替え工事は「まちづくり検討会議」が設立され、「あいりん地区」の各町内会、センター上階の市営住宅自治会、商店会、簡宿組合、社会福祉協議会労働組合、労働者支援団体などの参加の下、月12回のペースで意見交換が進められています。
これは大阪市行政当局によって長い間「仮住まいの流れ者」扱いされ、「住民」として認められてこなかった釜ヶ崎住民を市民、住民として認知しなければならなくなったことを認めたという意味では画期的なことであり、多くの仲間がこの議論にかみこんでいけるような仕組みが求められています。
しかし、もう一方ではしつこいほどの大阪都構想実現に向けた動きであることも事実であり、新自由主義政治による「効率的な民営化」の名のもとに市民の財産を売り渡す攻撃であり、私たちの第二の故郷を巨大資本に売り渡すことにもなりかねません。
大阪市は市営地下鉄や市バスのみならず、「命の水」水道事業まで民間企業に売り払おうとしています。
こうした状況の中で耐震強度不足から建て替えを余儀なくされたあいりん労働センターの再建をめぐる、商業施設としたい巨大資本と、「再開発」で追い出される可能性をひしひしと感じている労働者、戸惑う地域の商店主・ドヤ主たちのせめぎ合いが始まっています。
今年の越冬闘争もこうした地域をめぐる激動の中で闘われます。失業・野宿の仲間たちが排除されることは絶対に認めることは出来ません。
私たちは「釜ヶ崎に行けば何とかなる」という想いに応え続けてきたこの街の良さ(多くの人たちの想い)=伝統を守ることによって、今この街に暮らす仲間と共にこれからもたどり着くであろう仲間たちを守っていければと思います。
今年も大阪全域を視野に入れながら、新シェルターの臨時宿泊所と連動した「地域での越冬闘争」を創っていきたいと思っています。
これまで同様、皆様の温かいご支援をお願い致します。
また、20161228日から201714日までの越冬期間中の現場でのご支援・ご協力も宜しくお願い致します。
 
47回越冬闘争基調
はじめに
 米国の新大統領に決まったトランプはあらためて米国のTPPからの離脱を明言している。114日の与党によるTPP承認案強行採決は何だったのだろう、
多くの評論家はアベノミクスの終わりの始まりと酷評している。然りそのとうりだろう。華々しく語られてきた安倍の「経済成長戦略」はここに至って大きな挫折に見舞われている。一見我々の生活と無関係に見えるかもしれないが、このTPPこそがアベノミクスの重要な柱だった。
 国際金融資本に国民の生活を売渡し、社会保障制度改革、労働法制改悪、年金の投機資本化、公共サービスの民間への売却もこのTPP へ向けた国内施策の整備と言っても過言ではない、強欲な金融資本支配に労働者が生みだす価値を差しだそうと言うものだ。
 このアベノミクスのもう一面は言うまでも無く軍事大国化と戦争の出来る国つくりと言っていい、安倍は昨年3月国連総会演説後の記者会見で「アベノミクスと防衛課題はメダルの裏と表」つまり戦争体制作りと経済成長は一体のものであると語っている、「美しい国、強靭な国土」日本とはこれらを象徴した言葉と言える。生活破壊と改憲・戦争への道を阻止しよう。
 我々はこうした時代の中で今回の越冬闘争を迎えている。
12年の橋下市政以降多くの議論がなされてきた。「まちづくり検討会議」や其の下で「労働施設」「医療施設」「住宅」「駅前開発」の各部会も討議を重ねている。更に「萩之茶屋街作り拡大会議」は多くの地域の団体が参加しこの街の未来を模索してきている。こうした議論が官民一体となって推し進められている事の意義を過小に評価してはならない。同時にそこに潜む巨大資本による・労働者・生活保護 野宿を強いられた仲間達の排除の動きにも細心の注意を払わなければならない、ここに至る道のりに半世紀近くの時間を要してきた、しかし今からがこの作り上げた枠組みをどの様な方向へと進めるか?の大きな分岐点と言っていいだろう。その一端は市民投票で否決された「大阪都構想」は姿を変えて動き出している。
安倍政権の観光立国化の動きは大阪の観光誘致運動と連動している、その「平成28年度事業計画」は「明確な戦略に基づく. 高規格で質の高い観光・ サービスの提供」を謳いながら「観光は地域の総合成長産業」「観光資源更を磨き環境整備」を図るとされている。
そして驚くことに「大阪の観光戦略」の立案責任は「府市統合本部」となっている、これは何を意味しているのだろうか。大阪都構想そのものではないか。その事を示すのが「「大阪府市統合本部おける議論」である、その中で「観光のプロ集団」「大阪観光局(仮称)の設立」と「都市魅力創造府市戦略の一本化」その上で「強い大阪」を目指すと書かれている。
 これらの動きが19年ワールドカっプ開催と25国際博覧会夢洲誘致を眼目としているこことはあきらかだ。さらにこれらと「カジノ建設」とがセットで目標とされ巨大資本による大阪の大きな「変貌」再編が画策されているのだ。
 我々は釜ヶ崎の街作りの主体はこの街の住人であり労働者であると繰り返し主張してきた。この原点を巨大資本主導の街作りに奪われてはならない。
センターの建て替えを巡る今後の議論の中でまた反失連の要望書で主張した要求の実現を目指して闘おう。
 戦争への道を突き進む安倍政権打倒へ。
米国トランプ大統領の誕生は阿倍政権に大きな不安を与えている。しかし、その前兆があったことも確かだ、英国のEUからの離脱がそれである。この二つに共通しているのは自国利権保護と移民排斥・排外主義・他民族への度しがたい蔑視と格差の拡大への民衆の不満と不安である。
アベ政権もまたこの時代の趨勢に寄り添うように戦争への道を暴走している、
 憲法解釈改憲を強権で進めてきた政策がことごとく破たんに瀕している。強行採決を重ね批准を狙った環太平洋連携協定(TPP)は、発効そのものが絶望的になり。原発の再稼働(鹿児島・新潟・滋賀・佐賀県知事選を見よ)も当初の予定より大幅に遅れている、輸出路線も輸出先国(ベトナム)の白紙撤回で揺れている。安保法制=戦争法に基づく南スーダンPKO(国連平和維持活動)への自衛隊派兵では、現地情勢を無視した新任務付与の強行で、隊員の命を危険にさらしており、深刻な矛盾に直面している。
沖縄での新基地建設は県民の頑強な抵抗に直面し、遂には全国機動隊の大動員と違法、無法弾圧に頼らざるえない局面に至っている。アベノミクス・異次元の金融施策で市場に大量の現金を投入したが、個人消費と設備投資は全く伸びていない。それに変わって低賃金劣悪労働が蔓延し悲惨な過労死・自殺が蔓延している。
時代は、黙って野たれ死にするな! 立ち上がって闘おう! と呼びかけている。
応えようではないか。
 
47釜ヶ崎越冬闘争スローガン
 
安心して働き・生活できる釜ヶ崎を創ろう!
★越冬闘争を闘うぞ!
 仲間内の団結で一人の餓死・凍死者も出すな!
野宿の仲間への襲撃を辞めさせるぞ!
野宿の仲間の排除を許さないぞ!
 
★野宿をさせるな!
 社会的就労・公的事業で年齢制限のない仕事を創れ!
特掃事業を拡大しろ! 3回働けるようにしろ!
 
生活保護費の削減・「保護申請制限」を許さんぞ!
 稼働年齢層の生保受給者に仕事と技能訓練を充実しろ!
 高齢生保受給者への生きがい事業を拡充しろ!
 住宅扶助の単給を積極的に活用しろ!
 
★全ての原発を即時廃炉にしろ!
 川内・高浜・大飯原発再稼働は許さんぞ!
 全ての労働者を被曝させるな!
 全ての被ばく住民の健康を守れ!
 
★戦争国家づくりを許すな!
 高江ヘリパット建設・辺野古新基地建設絶対阻止!
 戦争法糾弾・自衛隊南スーダン派兵糾弾!
 改憲策動絶対阻止!
 京都 経ヶ崎での米軍Xバンドレーダー基地建設糾弾!
 
大阪府機動隊の差別発言糾弾、松井知事の差別擁護を許すな!
 大阪府警は沖縄から即時撤退せよ!
 
★安倍政権のTPP強行採決糾弾!
 
★全国・全世界の労働者、被抑圧人民と連帯して闘うぞ!
 
 
47釜ヶ崎越冬闘争実行委員会
   
越冬闘争の活動内容と日程の紹介       
 
☆布団敷きと警備(集団野営)☆      
12/28~1/4 朝5時まで 社会医療センター軒下
 野宿をせざるを得ない人たちの大きな心配の一つに、通行人からの嫌がらせや、若者からの襲撃の恐怖があります。遊び半分で道頓堀川に投げ込まれて溺死させられた藤本さん。天王寺で殺害された小林さん。そして梅田での富松さん殺害など被害・犠牲は後を絶ちません。今年も新シェルター、三徳ケアセンター等地域内を中心としての越年対策となりますが、社会医療センターの軒下での集団野営は継続します。夜7時半頃から布団を敷き始め、翌朝5時まで夜を徹して番をします。一部のメンバーはそのままセンター情宣「日刊越冬」の配布に参加します。
 正月を迎えると支援者の数が落ち込み人員不足になりますが、「一人の餓死・凍死者も出さない」越冬闘争の基本となる活動なのでご協力をお願いします。
☆炊き出し☆   担当反失連
12/28~1/3  6時配食 場所三角公園 
 日替わりメニューで毎日温かい食事を提供します。2日の朝にはもちつき大会も行います。
    
☆人民パトロール
12/30~1/3 夜8時から夜10
 労働者、地域住民、市民、宗教者、学生など越冬闘争に参加する様々な人たちが集まって行なうパトロールです。日ごとに地区内、難波、梅田、天王寺日本橋を回ります。地区内外で野宿を強いられている仲間に、釜ケ崎で越冬闘争が行なわれていることを呼びかけます。「炊き出し」「集団野営」「医療・労働相談活動」「越冬まつり」などの情報とともに、カイロなどの支援物資を渡していきます。また街を歩く人達に越冬闘争への理解と協力を求める活動でもあります。その日の越冬まつり終了時に参加者を募り三角公園から出発します。
☆臨時宿泊所 受付相談と監視行動☆
1229()午前中   大阪市保健福祉センター分館(旧・市更相)
シェルターが閉鎖されている12/29~1/3までの期間、新シェルター、三徳ケアセンターに臨時宿泊所が設置されます。保健福祉センター分館が受付窓口になりますが、ここで不当な申し込み拒否等がないように見守り、労働者・高齢者の相談、アンケートも行います。
☆医療パトロール☆   担当 わてらと釜ケ崎
12/28日~1/3 夜9時45分~夜1130分 医療センター前集合 地区内外で野宿を強いられている仲間に支援物資を提供しながら健康状態を確認する活動を行います。緊急の場合には医療センター前の集団野営と連携を取りながら医療機関への引き継ぎも行います。
 
☆資材管理☆    協力 釜ケ崎支援機構
12月~1月初旬
毛布や布団の準備、三角公園で使う焚き火や炊き出し用の薪などを調達・管理します。1218()23()25()には三角公園の舞台や炊き出し小屋の設営を行います。越冬終了後の舞台や小屋の解体まで続く、越冬闘争を下支えするとても重要な活動です。   
 
☆越冬まつり☆   担当 実行委員会
1230日~1月3日    三角公園
 舞台では演歌、フォーク、ロック、ブルース、ボサノバ、ラップ、民謡、エイサーまで、越冬闘争の主旨に賛同するミュージシャンの方々の演奏が繰り広げられます。31日の夕方にはのど自慢大会も開催されます。公園広場では卓球大会(1/1)、もちつき(1/2)ソフトボール大会(1/3)が行なわれます。まつり期間中を通じて釜ケ崎で活動をしている仲間からの呼びかけやアピール活動も行なわれます。
         
☆お礼まいり☆
14() 朝7時~ センター集合
 行政が仕事始めの5日、大阪市大阪府に要求書を提出します。三角公園で参加者全員で朝食をすませた後、大型バス(勝利号)で出発します
 
 
 
 
 
 
釜ケ崎講座第47回越冬闘争期間の取り組み
 
          「釜講座・越冬闘争連帯1日行動デー!!
 1230()PM:30 釜日労事務所集合。
 釜ヶ崎講座として夕方から夜間の越冬行動に参加します。三角公園での催しに参加後、人民パトロール(PM8:009:45)、医療パトロール(PM9:4511:30)に参加しながら越冬の闘いを学び連帯の意義を知る行動です。多くの方の参加を期待しています。
                「新春釜ケ崎街歩きツアー」
 1月3日()PM:00 釜日労事務所前集合。4時過ぎ終了予定。
  今年も水野阿修羅さんのガイドで釜ヶ崎の歴史と文化そして今を探して歩いて行きます。約2時間半の街歩きの後、簡単な感想会を持ちたいと思います。
 どちらも参加申し込み、参加費不要です。気軽に参加して下さい。
(問い合わせ090-2063-7704事務局・河村)
 
NDS企画「ふるさとの家映画会」
 1230()~1月3日() AM10:00PM4:30頃まで。