釜ヶ崎講座ニュースno51掲載

     釜ヶ崎講座ニュース №51
                   
                                     2017年7月27日
 
                       釜ヶ崎講座
              大阪港郵便局私書箱40号
        〒557-0004 大阪市西成区萩の茶屋1-9-7  
                    釜ヶ崎日雇労働組合気付
           事務局  090-2063-7704
          Mail  Kamakouza@cwo2.bai.ne.jp
            http://cwowb2.bai.ne.jp/kamakouza
            http://blogs.yahoo.co.jp/kamagasakikouza
                       郵便振替00940-1-132778
 
 
1.「ホームレス自立支援法」10年延長・成立されました
  会員、読者の皆さま、日頃はカンパ等をはじめ釜ヶ崎講座へのご支援・ご協力に紙面をかりて厚く御礼を申し上げます。有難うございます。
 さて皆さまもすでに御承知おきの事とぞんじますが、去る6月14日、参院本会議におきまして「ホームレス自立支援法」が全会一致での10年延長の成立となりました。「共謀罪」法案、加計・森友疑惑等、混迷をきたす国会運営の中で「ホームレス支援全国ネット」を先頭とした関係団体・個人の熱と真摯な取り組みの結果、またこの紙面をご覧の皆さまの力と働きかけにより成立、運用の道が切り開かれました。今後は運動側の実行力が発揮されていく局面に移ることとなり、協働の力が必要不可欠です。釜ヶ崎講座も今後の支援法実行計画等の策定の中でその動きと情報の共有につとめ、学習会への企画に結実できればと考えております。
2.第46回釜ヶ崎夏祭りが開催されます
  さて、今年も暑い夏がやってきました。「第46回釜ヶ崎夏祭り」の時節を迎えることとなりました。釜ヶ崎夏祭りは一見、楽しく華やかに過ごせるイベントの一面もありますが、本質は長年、労働者が不当なピンはねや劣悪な飯場に怒りの声を出しながら、そして近年では野宿から脱却して安心して暮らせる社会実現の長い闘いのなかから生まれてきたものであり、闘争の中の心の休息として労働者に支持され形成されてきました。故郷の親・親戚との縁もきれて、志、希望の半ばで死を迎えた仲間を想い、生き抜く力を仲間との団結で切り開いていく、そうした誓いと想いの祭りとして続けらてきました。
 そうした釜ヶ崎夏祭りの歴史と取り組みの主旨に会員・読者の皆さまも是非、ご賛同いただき8月12日()の前夜祭より15日()の本祭最後の盆踊りまでのご参加をよろしくお願いいたします。今年も釜ヶ崎講座は夏祭り実行委員会に参加して「特掃体験」「釜ヶ崎めぐりツアー」の両企画を計画させてもらっておりますので、こちらのほうの参加も宜しくお願いいたします。
 
3.第46回夏祭りでの釜講座の企画
 
 釜ヶ崎講座、2017年、第46回釜ヶ崎夏祭りでの企画は以下の通りです。
 
  1.  「特掃体験」の企画 
    今年もNPO釜ヶ崎支援機構さんのご厚意にて特別清掃事業の体験労働に参加し、実地指導・説明を受けながら、「特掃」の形成・歴史の学習をし、理解をふかめます。なお体験場所は釜地域外か地域内か未定。注意事項ですが、労働ですので、半袖、スカート、スリッパ・サンダルはやめてください。参加できませんので。それと「熱中症対策」の厳守をお願いいたします。水分・日よけのご準備を。
     
    集合日時・場所 8月14日()朝 7時30分 釜ヶ崎日雇労働組合
                              事務所
     
  2.  「釜ヶ崎めぐりツアー」の企画
 
 水野阿修羅さんの豊富な話題で今、生き動く、そして歴史を積み重ねている釜ヶ崎を知ることができます。
 
 集合日時・場所 8月15日() 昼1時
              釜ヶ崎日雇労働組合事務所前
 1時に動きますので、12時50分前にはご集合ください。
  この2つの企画の参加費、事前予約はいりません。問い合わせは講座事務局河村まで(090-2063-7704釜ヶ崎講座事務局)
 
 
4.「釜ヶ崎講座第12回学習会」開催されました
    「日雇い労働はどうなる」のテーマで
      話題提供者として、松繁逸夫さん 水野阿修羅さんが発言
 去る6月3日、「日雇労働はどうなる」のテーマで第12回釜ヶ崎講座学習会が釜地域内の西成市民館にて約45名の参加でもたれました。およそ1~2年の時間の中で「日雇失業給付金の不正受給」の「告発」を端緒としたこの問題は昨年10月の国の会計検査院の「是正意見」として公(おおやけ)の問題となりました。これまで日雇労働者が集住してきた寄せ場等、現場の雇い主と労働者の現実に適合した形で対処されてきた「日雇労働保険」の扱いは、それ以降「是正」の指導が地方職安に一方的に通達される事態となり、現場の労働者に不安と困惑が拡散する事態となっています。その国による「是正指導」とは2カ月連続18日以上、あるいは6カ月間、同一業者のもとで雇われ続けると日雇の資格適用は取り消され、一般社会保険の適用加入の指導をされるという概要です。このへんの生の実状をこの日,釜日労の大戸さんとキリスト教協友会所属で日雇の仕事にたづさわっている吉岡さんが簡潔に報告してくれました。吉岡さんは「釜での日雇はセンター下でも「仕事こんか」と話しあるが他の場所でも明け方3時過ぎくらいから話決まって、車にのって雇われ先に行く労働者もいてる。しかし今回の問題で仕事どうしょうかって考えて、今の仕事やめたり、「1人親方」に切り替えたりの労働者が増えている。雇用・健康各保険・年金手帳がセットでなければ仕事はさせない、仕事から外されるという不安がひろがつている」と説明してくれました。大戸さんは「そうでなくても釜の仲間は仕事の機会は殆ど無いにひとしい。我々から「変更見直し」の取り組みを強めながら、より良い方向めざして団結をはかっていきたい。」と決意がのべられました。
 話題提供者として水野さんは、日本の日雇労働の変遷について語りました。「1950年代からの「失対事業」、60~70年代の港湾・建設業の興隆、大阪万博などでの資本・国の都合にあわせた供給、80年代からの「研修生」資格でのアジア隣国労働者の差別的使役。今日は身分証・携帯セットでのゼネコンとタイアップした「人夫出し」産業の主として関東域での拡大等、資本の都合にあわせた日雇労働はなくならない」と締めました。次に松繁さんは、日雇労働の国からの受給政策の面から「昔の僕らの時代は日雇もいいかって、ささやかだが仕事自由にきめるわ、って選択と気持ちのおおらかさがあったね。今は国が主導で仕事はだすが逃げるのはアカンといった一種統制型の労働市場にシフトさせながら日雇も組みこもうとする動きがあると思う。かつて関空工事(関西空港)で「労働者のプール制」をやった。必要な時期、その人数を調達する手法を今後もやってくると思う。」と語りました。皆さんと共に、日雇の現状を知る学習会となりました。松繁さん、水野さんをはじめ、発言者、参加のみなさん、ご苦労様でした。(この項おわり)
 
 
 ☆釜ヶ崎講座からカンパのお願い☆
 
  釜ヶ崎講座の活動は会員の皆様をはじめとしたカンパのご援助の力で
    維持させてもらっております。今回、振り込み用紙を同封しており
    ますので何卒、宜しくおねがい申し上げます。(事務局)
 
 
 
◆編集後記
 
  今年も釜ヶ崎労働者の団結の力で5月1日「第48回釜ヶ崎メーデー」が行われた。のぼりがはためき、労働歌が流れる中、支援の仲間と共に、釜講座も参加した。「働き方改革」と称して政府が近年、長時間労働上限うんぬんと介入してきた。1日8時間、週40時間労働の労基法のしばりは置き去られ、いかにして低賃金・重労働のたがはめをするかの議論がこの間、「政労交渉」されてきた。釜の労働者は要求して叫んできた。俺たちにメシをくわせろ、寝床をよこせ、働いて安心して暮らせる社会をと。怒りを共有し非正規と正規の垣根をこわして労働者は国の内外で団結を‼と。(K)