第46回釜ヶ崎越冬闘争の呼びかけ

46釜ヶ崎越冬闘争への支援・参加のお願い
 釜ヶ崎に心を寄せる全ての仲間の皆さん!
 きびしい冬が目前にせまっています。屋外で働く釜ヶ崎労働者にとって過酷な時期です。とりわけ仕事にアブレ失業-野宿を強いられる仲間にとって餓死・凍死は現実の問題であり、それとの闘いは釜ヶ崎の闘いの原点としてあります。とりわけ、行政の窓口が閉じられる越年期にはその矛盾が集中します。
 こうした中、釜ヶ崎では仲間の命を守り抜く闘い-越冬闘争が多くの仲間の皆さんの支援を受け闘い継がれてきました。今年で46回目を迎えます。本年1110日には、釜ヶ崎で労働者に責任を持って活動している団体・個人によって「第46釜ヶ崎越冬闘争実行委員会」が結成され「仲間内の団結で一人の餓死・凍死者も出すな! 」を合言葉に越冬闘争の準備が進められています。仲間の皆さんの支援と集団野営、炊き出し、パトロール等への積極的参加を要請したいと思います。
 仲間の皆さん!
 「景気回復」がさけばれ、東日本大震災の復興事業、そしてオリンピック関連の建設工事、関西に於いても「30年以内に70%の確率でおこる」といわれている南海トラフ地震に対する大がかりな防災工事があり「職人不足」が叫ばれていますが、釜ヶ崎のアブレ地獄は深まるばかりです。こうした中で約9000名の仲間が生活保護への移行を余ぎなくされていますが「生活保護に行けない、行かない」仲間たちは野宿を強いられシェルターを利用せざるをえない、炊き出しの列にならばざるをえない状況です。又、かろうじて仕事にありつけている仲間もゼネコンを頂点とした重層的下請け構造によるピンハネが強まり賃金が年々下がり続けています。
 釜ヶ崎労働者の当面の要求ははっきりしています。「野宿をさせるな仕事をさせろ」「働いてメシを喰わせろ」です。こうした仲間たちの声、要求を具体的な「しくみ」づくりに結実させ「安心して働き生活できる釜ヶ崎」を実現していきたいと考えています。より具体的には闘いの中でつくり出してきた「特掃」-社会的(公的)就労を拡大させること。55才以下の若い仲間にも働けるしくみを作ること。更には生活保護に移行した仲間への「しめつけ」を許さず、口さきだけではない就労自立に向けた施策を実行させることです。
 今、こうしたもっとも本質的な就労対策を欠いた所でセンター移転-縮小を前提に「まちづくり」が進められようとしていますが、こうした動きにも歯止めをかけていかなければなりません。更にはマスコミには取り上げられていませんが、野宿する仲間への排除、いやがらせは続いています。こうした攻撃を仲間の団結した闘いでうち破っていく、そうした団結をつくり出す越冬闘争を闘い抜きたいと考えています。
 仲間の皆さん!
 こうした闘いと結びつけアメリカに追ずいし改憲-戦争への道をつき進む安倍政権と対決し「原発も戦争(基地)も差別も失業-野宿もない社会」を目指す全国-全世界の仲間たちとの団結を目指していきたいと考えています。
 今年の越冬にも反原発を闘う仲間、反戦・反基地を闘う仲間、差別と闘う仲間、更には現場で労働問題を闘う仲間がかけつけてくれるでしょう。学生たちもかけつけてくれるでしょう。沖縄からも仲間がかけつけてくれるでしょう。こうした仲間たちと釜ヶ崎労働者の強固な団結をつくり出していきましょう
 冬将軍を迎え撃ち、一人ひとりが支え合い「仲間内の団結で一人の餓死・凍死者も出すな! 」を合言葉に第46釜ヶ崎越冬闘争を闘いましょう。
 
■資金で協力
 越冬闘争では、毎年70万~80万の資金が必要となります。現在も越冬闘争実行委員会では資金集めに奔走しております。厳しさを増すこの経済状況にあって、心苦しい限りではありますが、釜ヶ崎の運動・取り組みに関心を寄せる多くの皆さまに資金協力お願いしたく思います。
【振込先】①みずほ銀行 難波支店  普通口座 1387094
釜ヶ崎実行委員会 代表 山田実
     ②ゆうちょ銀行 記号141  番号 33722521
【他金融機関からの振込】
     ③ゆうちょ銀行 店番418(ヨンイチハチ) 普通預金 3372252
          ④郵便振替講座 00960-4-108331
          (②③④の名義は「釜ヶ崎実行委員会」
 
■物資で協力
 越冬闘争では次のような物資が必要です。皆さまのご協力をお願い致します。
 ◇毎日の炊き出しに使う米、もち米、お米券、調味料、野菜、その他食料品
 ◇寝場所、医療パトロールで使う布団、毛布類、寝袋、防寒着、カイロなど
 ◇その他、石鹸、タオルなどの日常生活品
【物資の送付先】
         557-0004 大阪市西成区萩之茶屋1-9-7
          46釜ヶ崎越冬闘争実行委員会(代表 山田実)
電話06-6632-4273
 
基調報告 第46釜ヶ崎越冬闘争勝利に向けて
【はじめに】
 釜ヶ崎の越冬闘争は1970年の第一回から毎年闘い続けられ今年で46回目を迎える。屋外の現場で働く釜ヶ崎の日雇い労働者にとって夏の暑さとともに冬は最も過酷な時期だ。
アブレ地獄が深まり、多くの仲間が失業-野宿を強いられる中、仕事がまったくとぎれ行政の窓口が閉じられる越冬期は釜ヶ崎の矛盾が集中する。
 こうした中で越冬闘争は冬の寒さから仲間の生命を支え合い、守り抜き、春からの闘いに向けた団結を創り出すという、いわば釜ヶ崎の闘いの「原点」ともいえる重要な闘いだ。
 「仲間内の団結で一人の餓死・凍死者も出すな! 」を合言葉に仲間どうしが支え合い仲間の生命を守り抜く闘いを最後まで団結してやり抜いていこう。
 今釜ヶ崎で最も重要な課題は失業-野宿の問題だ。1990年代以降の釜ヶ崎の「大失業時代」深まるばかりだ。多くの仲間たちが失業-野宿を強いられシェルターを利用せざるをえず、又炊き出しの列にならばざるをえないでいる。「年越し派遣村」の闘い以降、釜ヶ崎の労働者にも生活保護の窓口が大きく開かれ多くの仲間たちが生活保護に移行したが、今だに多くの仲間たちは失業-野宿を余儀なくされている。
 失業-野宿を強いられている仲間もそして生活保護に移行した仲間も願いは一つだ。「野宿をさせるな! 仕事をさせろ! 」「だれもが働いてメシを喰える『しくみ』をつくれ! 」これである。
 こうした中、来年で5年間延長された「ホームレス自立支援法」は終了し、今年4月から始まった「生活困窮者自立支援法」に包摂される。この一般法への移行の中で、今までの様に失業-野宿を強いられている仲間の新たな切り捨てを許さない為にも「ホームレス自立支援法」のもとでの闘い、その成果と限界をしっかりと総括し、闘いの方向性を確率していくことが重要だ。
 又、「センター建て替え問題」も大詰めにきている。仲間の生命を守り抜く闘いの中で大いに議論を深めていこう。
 【今年の越冬闘争の特徴】
 大阪市の行う「越冬対策」は大きく変わろうとしている。唯一の施策である「臨泊」は昨年から地域内「臨泊」として行われる様になり今年は「新シェルター」と「ケアセンター」を使って実施される。「臨泊」は「治安対策」上の理由から市内各施設での「分散型」から始まりその後は永らく「南港臨泊」として行われてきた。
 「釜ヶ崎で年をこさせろ! 」しいう長い間の闘いから見れば「一歩前進」であり又、「新シェルター臨泊」のスタッフも釜ヶ崎労働者の「仕事」として作り出すことが出来るようになった。
 しかし、行政の姿勢は変わっていない。その実施計画の中には長い闘いの中で「有名無実」化させた「40才以上」という年齢制限を相変わらず明記している。又、「臨泊」を必要としている仲間にも従来通りの「掲示」で済まそうとしている。更には1229日の受付以降は一切対応しない内容となっている。この結果、少なくない数の仲間が今年も「臨泊」から締め出され野宿を強いられる。又、幸いなことに直近では野宿を強いられる仲間への死に至るような襲撃事件は起こっていないが、排除や嫌がらせは続いている。
 こうした仲間たちの生命を守り抜く闘い、集団野営や炊き出し、医療パトロールをやり抜こう。更には釜ヶ崎への「封じ込め」を打ち破り各地へと人民パトロール隊を出撃させよう。
 
【戦争への道を突き進む安倍政権打倒へ】
 「パリ同時多発テロ」以降、アメリカを盟主とした「有志連合」はイラク・シリアへの「無差別爆撃を強化している。イギリスはシリアへの空爆参加を決定し、この間空爆に参加してこなかったドイツも「後方支援」として地上軍の派遣を決定した。又、政権交代したカナダもそうした決定を行う方向だ。アメリカ、イギリスも空爆に加えて地上軍の派遣を決定した。こうしたことが「同盟国(フランス)への集団的自衛権の行使」として行われる。
 「立憲主義」を踏みにじり、憲法違反の「戦争法」を強引に成立させた安倍政権もこれに加わる道を開いた。そもそも中東の「不安定化」は第一次、第二次世界大戦の「戦勝国」のでたらめな「戦後処理」そして「イラク戦争」に見られる様に気に入らない政権を力づくで崩壊させたアメリカを盟主とした「有志連合」の責任だ。当然ながらいくら空爆を強化し地上軍を派遣しても問題は解決しない。そればかりか更に矛盾は深まるばかりだ。又、「有志連合」の国内でも反戦闘争が広がるだろうし、実際に始まっている。
 元々はこうした抑圧された民衆や全世界の戦争に反対する人々と団結しイラク・シリアへの空爆を止めなければならない。不当な内政干渉をやめさせなければならない。
 「戦争法」の成立によって戦争への道を開き南シナ海へのイージス艦を派遣し、軍事挑発を強めるアメリカにいち早く支持を表明し「自衛隊派遣」を口にする安倍政権を許してはならない。自衛隊の海外派兵を阻止していこう。
 沖縄の仲間との団結を強め辺野古新基地建設を阻止し、Xバンド基地を始めとしたすべての米軍基地を一掃しよう。川内原発1.2号機の再稼働に続く高浜原発3.4号機の再稼働の目論み、原発輸出の策動を許してはならない。
 米ソの冷戦構造と高度経済成長を基礎とした戦後の社会の「しくみ」は大きく崩れ始めている。
安倍政権による戦争へののめり込みはこうした動きを更に加速させ社会を壊していくだろう。こ
うした政権と対決し「原発も戦争(基地)も差別も失業-野宿もない安心して働き生活できる社会」をつくり出していこう。その為には「制度のすき間を埋める」闘いにとどまらず「新たなしくみ」をその闘いの中で作り出していくことが必要だ。釜ヶ崎では社会の「しくみ」から除外された中で「安心して働き生活できる釜ヶ崎」を目指して「新たなしくみ」を作り出してきた。「特掃」や「シェルター」更には炊き出し、夜回り、様々な形での仲間どおしの支え合い、そこでの「取決め」を作り出してきた。越冬闘争を通じて更にこうした「しくみ」づくりを進めていこう。
 更には、あらゆる形で越冬闘争を支援し、釜ヶ崎に駆けつけてくれる仲間たちとの団結を深め共
に「新たな社会」を目指していこう。
 
 釜ヶ崎越冬闘争を団結して闘い抜こう!
 
46回 釜ヶ崎越冬闘争スローガン
 
☆仲間内の団結で一人の餓死・凍死者も出すな!
 ・仲間どうしが支え合い一人の餓死・凍死者もださないぞ!
  ・野宿の仲間への襲撃を許さないぞ!
 ・臨泊への年齢制限による切り捨てを許さないぞ!
 
☆野宿をさせるな、仕事をさせろ!
 ・社会的(公的)就労を拡大しろ!
 ・「特掃」を最低週3回にしろ!
  55才以下の若い仲間の就労の「しくみ」を創れ!
 
生活保護法改悪・「保護申請制度」を許さないぞ!
 ・「就労指導」に名を借りたしめつけ、切り捨てを許さないぞ!
 ・稼働年齢層の生活保護受給者に仕事と技能訓練の充実を!
 ・高齢生活保護受給者への「生きがい事業」を拡充しろ!
 
原発推進政策を改め全ての原発廃炉!
 ・川内原発再稼働強行弾劾! 伊方・高浜の再稼働阻止!
 ・労働者を被曝させるな! 被曝住民の健康を守れ!
 
☆戦争のできる国づくりを許すな!
 ・憲法違反の「戦争法」を廃止しろ! 自衛隊の海外派兵を許すな!
 ・「立憲主義」を踏みにじる安倍政権打倒!
  憲法9条を守れ! あらゆる改憲策動を許さないぞ!
  日米安保反対! 日米地位協定を破棄しろ!
 ・沖縄辺野古新基地建設阻止! 京都経ヶ岬のXバンドレーダー基地建設糾弾!
 ・全ての米軍基地一掃!
 ・民族差別を扇動する排外主義の台頭を許すな!
 
☆安心して働き生活できる釜ヶ崎をつくろう!
 
☆全国・全世界の労働者、抑圧された民衆と闘うぞ!